YAMAPが、日本の地方にある魅力的な文化や産物を紹介する「うなぎの寝床」さんと一緒に立ち上げた、「山 × ものづくりプロジェクト」。山をテーマにした商品を通じて、日本の伝統工芸や地方の文化を紹介し、地域の活性化につなげることを目指し、2021年の春から活動を進めています。
第一弾として発売した「ヤマフロシキ」に続き、第二弾となる商品がこのたび完成し、晴れてみなさんにご紹介できることになりました。


























山 × ものづくりプロジェクトで生まれた、
木のぬくもりの「ヤマオウリョウキ3種」
日本文化が生んだ知恵と伝統の技の美しさ
「オウリョウキ」をご存じですか? あまり聞きなじみのない言葉かもしれませんが、漢字で書くなら「応量器」。もともとは、禅宗の修行僧が食事をするときに使う器で、1人分の食器を入れ子状に重ねてひとまとめにできるものです。本来は宗教的な意味や厳格な使い方の作法がありますが、シンプルで無駄のない合理的なスタイルが、家庭で使う食器としても、ミニマリストたちからの支持を集めています。
これを、山で使える道具に仕上げたのが、プロジェクトの第二弾商品「ヤマオウリョウキ」。コンパクトで持ち運びやすいオウリョウキの特徴に、「ヤマ」で使うための工夫をプラスして、シンプルで美しい日本の山食器に仕立てました。
製造を手掛けたのは、石川県加賀市の山中温泉地区で漆器の製造を行なう「我戸幹男(がとみきお)商店」。この地で古くから続く伝統工芸「山中漆器」の工房です。
「山中漆器」の特徴は、木地挽轆轤(きじびきろくろ)という手法。ろくろで回転させた木材に刃物を当てて器を削り出されます。
極めてシンプな形ながら、縁の処理や角のカーブ、すべての曲線が繊細なつくり。これが天然木を削り出して作られたと考えると、木地挽轆轤の技のすばらしさを実感させられます。
これに、天然木の美しい木目が見えるよう、透明感のあるウレタン塗装を施しました。アウトドアで使うことを前提に、手軽にお手入れができ、あまり扱いに神経質になる必要のないことを重視しました。
重なるベストな3つの器
3つの器は、大きさだけでなく形も少しずつ異なります。
一番大きな大椀は、シンプルでストレートな形。コッヘルやクッカーなど、アウトドアで多用される、容量を最大限に生かせるタイプ。
中椀は、底面に少し角度のある、いわゆるボウル型。真ん中が深く端は少し浅くなっているので、スプーンも使いやすく汁物にも便利。
一番小さな小椀は、少し大きめの小鉢といったイメージ。浅めのつくりで、径は一般的な茶碗やお椀と同じくらいで、多用途に使えるサイズ。
どれも、オウリョウキの本質はそのままに、親しみのある山食器のニュアンスも感じます。
背面に小さく、このプロジェクトの証として、ヤマップとうなぎの寝床、そして、我戸幹男商店の3つのロゴを並べました。
天然素材の優しさでもっとおいしく
金属やプラスチックでは得られない、手になじむ天然木の温もりと優しい口当たり。ふたつと同じもののない躍動感のある木目の表情も、自然の力と人の手を感じさせます。これで食べたら、同じものもよりおいしく感じるに違いありません。
陶器やガラスほどデリケートでなく、軽量でコンパクトと、アウトドアに持ち出すための条件をクリア。さらりとした質感で、においや色移りがしにくく、油汚れが落としやすいのもうれしいポイント。温度が伝わりにくいので、熱いものを入れても素手で持てるし、温度も長く保つことができます。
伝統的な和の食器らしく、一汁三菜に似合うのはもちろんですが、カレーやパスタなどの洋食や丼メニューにもぴったり。大皿や鍋からの取り分けも、デザートやフルーツにも、和モダンの雰囲気がよく似合い、山ごはんの時間を、ワンランク上のものにしてくれるでしょう。
同じ向きで入れ子にするのが基本ですが、大きい方を蓋のように反対向きに被せれば、中に食材や調味料などを収納することもでき、残った料理や食材を入れておくのにも便利。
蓋のように被せると外しにくいことがありますが、無理にこじ開けたりせず、蓋を上にして側面を軽く叩くと、すんなり外すことができます。
シンデレラフィットを求めて
これだけで、ヤマオウリョウキ3種がアウトドア向きの食器だということは充分わかっていただけたと思いますが、山好きのみなさんなら、そろそろ気になり始めているのではないでしょうか? ここまできれいに入れ子になるなら、もっと重なるものを探したくなるという、「山のスタッキング症候群」です!
必要なものをできるだけコンパクトに持ち運ぶため、スタッキングの相性も山のキッチンツールを選ぶときの重要な要素。上手くいったときの快感は、山の楽しみのひとつといっていいのではないでしょうか。
もちろん、山食器と名乗るからには、のヤマオウリョウキ3種もそこは心得ています。一番小さな小椀は、一般的な250サイズのガス(OD)缶が入る直径約12㎝。大椀は、内径14㎝のクッカーにスッポリ入るサイズ。
ヤマオウリョウキのシリーズには、「ヤマコザラ2種」と「ガスカバー」もあるのですが、こちらも合わせてさまざまなスタッキングが可能。パズルのように組み合わせを工夫して、コンパクトに収めましょう。
そして、これらを収納するときには、ぜひ「ヤマフロシキ」を使ってください。
よくあるメッシュの収納袋やナイロンのスタッフサックだと、なかなかジャストサイズが見つかりませんが、ふろしきは、中身に合わせて自由にサイズや形を変えられるのがいいところ。ほかにも多用途に使えて便利なうえに、なにより、ヤマフロシキのほうが、断然ヤマオウリョウキに似合うと思います。互いに自然の素材を職人の技が重なったコンセプトや思いが同じなのだから、これは当然のことかもしれません。
家から山へ。山から家へ。
外に持ち出す話ばかりしましたが、ヤマオウリョウキは家の中で使うのもおすすめ。さまざまな料理に合うので、他にお皿とカップなどがあれば、最低限必要な食器はまかなえます。モノを減らしたいミニマリストや、一人暮らしを始める方にもおすすめ。家族の人数分を並べるだけでも、絵になると思います。
家で使っているものをそのまま山へ。山から帰ったらまた家の定位置へ。そんな合理的な使い方が抵抗なくできるのも、ヤマオウリョウキが持つ、伝統工芸のクオリティや特別感があるからでしょう。合理的だけれど無理がなく、ミニマムだけれど豊かな気持ちになれる、モノ好きなアウトドアピープルの心をくすぐるものになりました。
ぜひ、山でも家でも、ヤマオウリョウキで豊かな時間を過ごしてください。
商品詳細
ブランド |
YAMAP(ヤマップ) |
名称 |
うなぎの寝床 ヤマオウリョウキ |
素材 |
ウレタン塗装天然木 |
重量 |
約256g(大:137g、中:67g、小:52g) ※製品により、若干の誤差がございます |
サイズ |
大 外径:約138mm(内径:約134mm)高さ:約58mm |
カラー |
ベージュ |
備考 |
・長時間湯水に浸しておくことは避けてください。使用後はできるだけ早く洗い、柔らかい布で水気をぬぐい、乾いた布で拭いておきますと長持ちします。 |
注意事項 |
この製品を安全、快適にお使いいただくために、下記の点にご注意ください。 ・直火、電子レンジ、オーブンなどでの使用はしないでください。火災の原因となります。 |