トレイルランニング用のレースパックを基盤に設計されているため、背負ったまま使用できるポケットが多く配されています。フロント下部には立体型の大型ストレッチスリットポケットがあり、行動中に必要なものの多くを収納可能です。右側のストレッチポケット内には、ファスナーの引手がホイッスル仕様になっているセキュリティメッシュポケットがあり、鍵や現金、カード類などを収納しておくことができます。

左側のストレッチポケットの内側には、スマートフォンのサイズが納まるスリットポケットが配置されています。その内側には滑り止めも付いているので、屈んだ時にスマートフォンが滑り落ちることがないように設計されています。

ショルダーハーネス部には、ゴムスピンドル付きのボトルポケットが配されており、ソフトフラスクの収納も想定された設計になっています。また、メインコンパートメントと背中の間には、ハイドレーションパック専用のコンパートメントも設けられています。

前後の収納容量が大きいと気になるのが行動中のパック自体の揺れですが、「THE NORTH FACE（ザ・ノース・フェイス）/ティーアールロケット」は３本のチェストストラップを配置し、最上段のストラップは上下可動式にすることにより、体格や収納容量に応じた微調整を可能にし、フィット感とホールド性を向上させています。

メインコンパートメントの開口部はロールトップ式になっており、収納容量に応じてパックの体積を調整することが可能です。開口部も広いので、物の取り出しもストレスなく行うことができます。

荷物の容量に応じて本体をコンプレッションし、フィット性の調節を可能にするコード式スタビライザーが設けられています。背負った状態でコンプレッションすることができるように、引き手はショルダー部にあり、動きながらの微調整が可能です。

メインコンパートメントの両サイドにもコンプレッション用のバンジーコードが配されています。それらを絞ることによって、メインコンパートメントの収納量に応じてパックを絞り込み中身の揺れを防ぐことができます。また、そのバンジーコードを利用して登山やトレイルランニングで使用するストックやテントポールなどを両サイドに固定することができます。

メインコンパートメントの外側には２箇所の大型ストレッチポケットが配置されています。上部には上からアクセスするポケット、下部には背負ったままでも手を伸ばせば左右からアクセスできるポケットがあり、ウィンドシェルやレインウエアなど、行動中に脱ぎ着する物の収納に重宝します。

メインコンパートメントの内部には、ジッパー付きのメッシュポケットが配置されています。エマージェンシーキットなど、いざという時にさっと取り出したいものを分けて収納しておくのに役立つかもしれません。

本格的なトレイルランニングレース用のテクニカルパックのシリーズだけあって、ポケットの数もさることながら、その配置や作りこみも考え抜かれている「THE NORTH FACE（ザ・ノース・フェイス）/ティーアールロケット」。THE NORTH FACE のFLIGHT SERIESとなると、本格的にレースに出場する人のためのイメージがあるかもしれませんが、これはトレイルランニングを初めてみようかなという方にも適したパックです。登山やハイキングの延長線上で少し走ってみる、そういったことができる多用途パックとも言えるでしょう。