OMMの起源は1968年に始まったマウンテンマラソンレース「The Original Mountain Marathon」です。メーカーがプロモーション等を目的にレースを始めることはありますが、OMMはこのレースに必要なギアを作るために創業するという異色の背景をもちます。
レースは1泊2日で行われ、コースも明確な“道”が示されていないので、選手はフィールドでの幕営技術やルートファインディング能力が求められます。必ず指定地で泊まらなければならず、幕営装備を収納できるパックが必要に。それゆえ、走りやすさと20リットル、30リットルとランニングパックのなかでは大きめのサイズがあり、レースだけでなくファストハイクなど身軽に山を駆ける人に向くプロダクトが揃っているのもOMMの特徴です。











7つの支点で体に密着
背負い心地抜群な軽量パック
ファントム20はシリーズのなかでは中間サイズです。ハーネス(ショルダーベルト等)と荷室をつなぐ7つの支点によって、まるで体の一部のようにフィットし、パックの揺れを最小限に抑えてくれます。振動によって荷物に遠心力がかかって体が振られることがないぶん疲れにくく、快適なランニングが可能です。
パック自体が軽いことはもちろん、体に密着して余計な重さを感じさせないのがファントム最大の特徴です。それでは、その秘訣ともいえる細部の機能について詳しく見ていきましょう。
首の後ろにY字型に延びるハーネスのシステム「Phantom Suspension」は、一般的なショルダーベルトと異なり、パックの重さを肩ではなく背骨で支える構造です。肩に負担がかからず自由に腕を動かせるので、平坦地での腕振りや急登で岩や木や根を掴む動作がしやすくなっています。
サスペンションコードはパック本体とハーネス上部を結び、ランニング中の振動による横揺れを抑えます。コードの長さ調節は走りながらでき、しっかりフィットさせればパックの重みを背骨で支えるのをサポート。また、締めたり緩めたりすることで、荷物の重さがかかる部分を微妙に調節でき、肩や首の痛みを軽減できるのがうれしいところです。
ハーネス下部はV字のスリングで荷室につながり、左右の4点で脊椎下部に広く密着します。ランニング時、衝撃でパックが浮き上がるときは下側のスリングが、着地でパックが沈むときは上のスリングが締まることで縦揺れを抑えます。
スリングは荷室のコンプレッションを兼ね、締めるとパックが圧縮され、装備が暴れて揺れるのも防ぎます。荷室自体が揺れなくても中の装備が揺れては走りにくいので、この機能は重要です。
ハーネス前面の右側には大きなボトルホルダーを備えています。コードで上下をホールドできるので、ボトルを落とす心配はありません。左側にはストレッチ性の高いメッシュポケットが。こちらはソフトフラスクやスマートフォン、パワーバーを収納できます。
胸の上下2点にはベルトが用意され前面もしっかりホールドします。上部のベルトは伸縮性のあるコードで適度にフィットするので、呼吸は邪魔しません。
パックの生地は軽量で高い耐摩耗性をもつUHMWPU耐久ナイロンを使用。撥水加工がされ、軽い雨や朝露などによる濡れは防ぎます。ヤブや岩場を進む山でも安心して使える強度があり、レースだけでなく軽量な装備で山を楽しみたい人にもおすすめできるパックに仕上がっています。
テント、シュラフ、食料、レインウェア、防寒着など、近年、発展が目覚ましいウルトラライトな装備であれば、しっかり収納できる容量があります。
背面はしっかりしたEVAパッドで作られ、硬い物の角が多少飛び出していても快適な背負い心地。急いでパッキングしたときでも違和感がなく、ランニングに集中できます。
ランニングパックの軽さとフィット感はもちろん、登山用のパックに求められるタフさや収納力を備えているファントム20は、トレイルランニングだけでなく最小限の装備で山を駆ける人まで様々な要望に応える逸品です。
OMM(オーエムエム)/ファントム ベストパック/ブラック/UNISEX
ブランド |
OMM(オーエムエム) |
名称 |
ファントム 20 ベストパック/UNISEX |
素材 |
Ultra High Molecular Weight Poly Urathene / 30D Nylon |
容量 |
20L |
重量 |
Full Weight : 360g、LeanWeight : 315g |
背面長 |
40cm |
シャーシ |
超軽量 UHMWPU(超高分子量ポリウレタン) |
ファスナー |
YKK AquaGuard® ダブルファスナー |
カラー |
Black(ブラック) |
備考 |
・3D メッシュハーネス & バックシステム ・背面長はチタンペグで調節可 |