「LA SPORTIVA(スポルティバ)/ジャッカル」は、LA SPORTIVAのトレイルランニングシューズの開発チームと、専属プロアスリートチームにより開発・設計が進められ製品化された、長距離用トレイルランニングシューズのフラッグシップです。LA SPORTIVAの長距離向けシューズと言えば「アカシャⅡ」がありますが、そのクッション性や安定性をベンチマークしながらも、”トップアスリートがレースで使用するシューズ”として、プロトタイプによるテストとフィードバックを繰り返し、新たな概念で誕生したのが「LA SPORTIVA(スポルティバ)/ジャッカル」なのです。

















LA SPORTIVAの新開発ソールを搭載した長距離用トレランシューズ
アスリートが求めた「安定性」と「衝撃吸収」を1つのソールに
長距離を走りきるためにトップアスリートが求めたのは「安定性」と「衝撃吸収」。そして、その性能を満たした上での「軽さ」の追求でした。それを実現するためにLA SPORTIVAの開発チームが手がけたのが、これまでのラインアップには無い新たなソールを創るということ。そして、プロジェクト開始から2年以上の時間をかけ誕生したのが、この「LA SPORTIVA(スポルティバ)/ジャッカル」に採用されている「INFINITOO™」と名付けられた新型ソールです。
「INFINITOO™」について、もう少し詳しく見ていきましょう。ソールをパーツごとに分解すると、上図の(A)〜(E)のように5つの部品に分かれます。(B)がクッション性の高いEVA素材で作られたミッドソールの基礎になります。その前足部と踵の下には凹みがあり、衝撃吸収と反発力を併せ持つポリウレタンパッド=(A)が2つ埋め込まれていて、この(A)+(B)が高いクッショニングを実現するソールシステムの核心部となります。
さらに踵から土踏まずにかけての外周には、(B)よりも硬度が高い素材で成形されたヒールフレーム=(C)で覆い、足首の横ブレを抑える役割を果たしています。(A)+(B)+(C)のクッション系素材の底部には、高密度で硬いロックシールド=(D)が配置されています。その名の通り、岩などの凹凸による突き上げから足を保護するとともに、ソールのねじれを防ぎます。
「INFINITOO™」ソールは、それぞれ異なる特性をもつ(A)〜(D)のパーツを組み合わせることにより、地面から受ける衝撃を吸収するとともに、反発力から生まれるエネルギーを推進力として効率的に変換する仕組みを実現しています。
ここまで解説してきたミッドソールの特徴を活かすため「LA SPORTIVA(スポルティバ)/ジャッカル」には、全く新しいラグパターンのアウトソール=(E)が開発されました。LA SPORTIVAのトレイルランニングシューズのソールに使用されているコンパウンド(ラバー素材)には、上図にある3種類=FRIXION® BLUE / FRIXION® RED / FRIXION® WHITEのいずれかが使用されています。
「LA SPORTIVA(スポルティバ)/ジャッカル」に採用されているのは、その中の「FRIXION® RED」。グリップ性と耐摩耗性のバランスが取れた仕様であり、密度(硬さ)が違う2種類のコンパウンドが部分によって使い分けられているのが特徴です。
そのコンパウンドの硬さの違いは、アウトソールの色で見分けることができます。ソールの赤色部分には耐摩耗性に優れたコンパウンド(=相対的に硬い)が使用されていて、平地や上りなどで地面を捉えるためのスパイクの役割を果たします。それ以外の黒色部分は、より粘性の高いコンパウンド(=相対的に軟らかい)を使用していて、下りや滑りやすいサーフェース上でのグリップにおいて、その効果を発揮します。
グリップに関しては、LA SPORTIVAの登山靴やアプローチシューズなどにも共通して採用されている独自のラグパターンのコンセプト=IMPACT BRAKE SYSTEMが、採用されています。ラグの接地部分を斜めにカットし、それらを互い違いにレイアウトすることによって、登りでの駆動力、下りでのブレーキ、そしてソールラバーの弾力性を活かした着地時の衝撃吸収も行う仕組みです。
ラグ(アウトソールの凸凹)の高さの公称値はトレイルランニングシューズにしては低めの「3.5mm」ではありますが、これには数値にあらわれないギミックが隠されています。各ラグの前後に約3mm程度の溝が彫り込まれていて、柔らかい土や泥などのトレイルでは、実質3.5mm+3mm=6.5mmの高さのラグとして機能します。
長距離のトレイルランニングレースは、山道だけではなく、時に街の中の舗装路や砂利の林道を走ることも少なくありません。そのような硬い路面では、高いラグが走る際の負荷になってしまうため、表層のラグの高さは「3.5mm」と低く抑えられているのです。
レース中の足のボリューム変化に追従する伸縮アッパー
爪先側のアッパーはソックスのような袋形状になっています。特に足の甲に当たる面には、引っ張ると元の長さの4~7倍にまで伸び、力を緩めればまたすぐに元の形状に戻るという伸縮性と回復性に優れた生地が採用されていて、足の形状に合わせてしなやかにフィットします。ランニング用のタイツなど、身体の運動機能を妨げずにフィット感が求められるスポーツウエアにも同じ繊維が使用されています。
100kmを超える長距離のトレイルランニングレースでは、その途中に足や指も浮腫み、ボリュームが変化します。トップアスリートが快適に走り続けるために、レース中の足のボリュームに合わせて、アッパーの伸縮性が追従する設計になっていています。それはシューレース(靴紐)にもおよび、アスリートのパフォーマンスを最大限引き上げるためのシューズとして、細部にわたる配慮が詰め込まれています。
フィット感と快適性を追求したマイクロファイバーによる内装
LA SPORTIVAの他のトレイルランニングシューズとの違いとして、内装に使用されている素材の違いも、大きなポイントです。足首周りなどを含め、通常はメッシュ素材が使用されていますが、「LA SPORTIVA(スポルティバ)/ジャッカル」には、さらに木目の細かい「マイクロファイバー」が採用されています。アウトドア用の速乾タオルにも使用されている素材で、メッシュ生地に比べて吸水速乾性が高く、レース中の雨や渡渉などでシューズが濡れた際により早く乾燥します。
速乾性以外にもう1点、「マイクロファイバー」を内装に使用することのメリットがあります。それは「フィット感」です。使用されている繊維は8マイクロナノメートル(髪の毛の100分の1)以下という極細で、さらに1本1本の繊維の断面形状が多角形で表面が凸凹になっているため摩擦率が高いという特性があります。メガネやカメラのレンズを拭くための布にも「マイクロファイバー」が使用されていますが、微細な繊維の凹凸を使って埃や油分を絡め取っています。その素材をシューズの内装に使用することによって、シューズの中で足が不要にずれることを防ぎ、メッシュ生地よりも足に吸い付く感覚が得られます。
トレイルランニング用としてはもちろん山歩き用にも
ここまでの紹介で、トップアスリート向けのトレイルランニングシューズという印象になり、敷居が高く感じてしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、用途としてはそれに限りません。クッション性も高く、純粋に歩きやすいシューズであるため、ファストパッキングやロングトレイルハイキングなどトレイルを軽快に歩くことを目的にしている方にもおすすめです。
また、シューズの幅にも余裕があり伸縮性の高いアッパーであるため、足幅が広めの方にもフィットするシューズです。そのような意味で、トレイルランニングを楽しみたいビギナーからトップアスリート、そして山歩きまで幅広い用途で活躍する一足と言えます。
サイズ表
EU | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 |
cm |
25.5 |
26.1 |
26.7 |
27.3 |
27.9 |
商品詳細
ブランド |
LA SPORTIVA(スポルティバ) |
名称 |
ジャッカル |
素材 |
アッパー:サンドイッチメッシュ+ナイロン+ライクラ |
重量 |
約300g(1/2ペア) |
サイズ |
40、41、42、43、44 |
カラー |
ブラック×イエロー(ブラック×イエロー) |