少し厚手のトレッキングパンツは、その生地厚のために多少なりとも動きにくくなります。そこでストームゴージュアルパインパンツは、可動する箇所に立体デザインを採用。とくに膝部分については立体的なパターン構成を取り入れることで足上げが容易になっています。行動中はもちろん、休憩しているときや座っているときなども、着用感のよさを実感できます。

ストームゴージュアルパインパンツで使用されているファブリックは伸縮タイプ。上記の立体裁断と相まって、動きやすさをサポートしてくれます。ファブリックは細かいスプリング構造に加え、伸縮性ポリマーを組み合わせることで、伸縮しやすく、回復性も良好。ちなみに、通常ストレッチ素材は織で伸縮性を持たせるのですが、原糸から糸自体をコイルのように伸縮するように製造しているため、長期間使用していても劣化することのない、優れた伸縮性を実現しているのです。

行動中など、体からの発熱や発汗が著しいシーンではリンクベントによるベンチレーションでクールダウン可能。両サイドふともも外側に位置し、ジッパータイプとなっています。オープン時はメッシュファブリックが通気を確保。パンツ内のムレを効果的に通気することができます。ちなみに前のモデルはメッシュがなく地肌が露出していましたが、メッシュが設けられたことにより使いやすくなったのではないでしょうか。

ポケットは4つ。腰部分に2つ、ふともも部分に2つ配置されています。すべてにジッパーを採用。
便利なのがふともものポケット。膝などの動きが多い箇所を外しているため、小物などを入れても動きに支障がなく、違和感が少ないのが特徴。ポケット内部にはループが設けられているのでカギや小物を小さなカラビナなどで固定することができます。

ボタンでも留めるタイプとなっていますが、着用感の調整はウエストベルトで可能。両サイドが伸縮性のある素材となっているため着心地がよく、好みの着用感を実現できます。ウエストベルトの末端はポケット上部のスリーブに収納できるため、見た目もすっきりします。さらにそのベルトの末端がポケット内部に伸びているので、ポケットに手を入れた状態で調整ができるんです。バックルは片手で外せるタイプで利便性良好。

裾の末端にはドローコードを採用。泥や雪の侵入をブロックしてくれるだけでなく、冷気もシャットアウトしてくれます。とくに藪漕ぎやバリエーションルート、冬期の登山などでは必須の機能のひとつ。コードはパンツの上に向かって固定されるようになっているため邪魔にならずクランポンの装着時もひっかかることはありません、またセルフロック構造で片手調整可。

ファブリックは高気密素材となっているため、枝や岩からの脚部の保護だけでなく、風からもしっかり守ってくれます。厳冬期の登山はもちろん、春の晴天時でも気温が低いときなどは安心できる素材となっています。春スキーなどでも活躍してくれるでしょう。

ハードユーザーにとって悩ましいのが耐久性。山行を繰り返し、洗濯をするほどに機能が落ちてしまいますが、ストームゴージュアルパインパンツは100回洗濯しても、新品と比較しても80点以上の耐久撥水性をキープ（JIS-L-1092法）。一年に何度も山行に行くような方にとって嬉しい、とてつもないタフさを備えています。