そのハイブリッド糸で編み上げられたのが、メリノスピンサーモ。
第一の特徴は、メリノウールの特性でもある温かさ。素材自体がもともと備える保温性に加え、2層の袋編み構造にすることで、さらに多くの空気層を蓄えて、高い保温性を確保しました。

もう一つのメリットが、汗をかいた後でもイヤなニオイが出にくいこと。ウール製品を身に着けたことがある人なら、きっとそれを実感したことがあるでしょう。羊たちの体を健康に保つための天然の機能は、登山者にとっても大きなメリットですが、それをさらに強化する加工を施して、長期間の山行でも快適に使えるようにしました。

化繊に比べて乾きにくいという弱点は、ポリエステル繊維がカバーします。もともとウール自体には撥水性があり乾きにくい素材ではないのですが、すばやく水分を吸収する化学繊維と比較すると、繊維の表面に水分がとどまる時間が長くなることがありました。メリノスピンサーモは、ウールの表面をポリエステル糸が覆っているため、化学繊維に等しい速乾性を発揮します。
さらに、湿度調整機能に優れる未防縮ウールを使用しているため、衣類が汗を吸ったあともムレがおこりにくく、さらりとした肌触りを保つことができます。

ポリエステル繊維の吸汗速乾性や、ウールに施された抗菌消臭強化の加工は、何度も繰り返し使ううちに少しずつ機能が低下してしまうのですが、メリノスピンはその耐久性、快適性も長く保ちます。自宅で簡単に洗濯ができ、ハイブリッドのタフさでヘタりや縮みが少ないのもうれしいところ。着心地のいい状態が、長く手間なくキープできます。

メリノスピンサーモタイツは、上半身に比べて寒さを感じやすく、しかも汗をかいてムレやすい下半身を、快適にしっかりと暖めてくれるフルロング丈。

厳冬期用の肉厚な素材は、タイツというよりもインナーパンツ寄りのイメージ。透け感はありませんが、伸縮性が非常に高く、大きな動きを妨げるツッパリ感は無縁。着心地のよさには徹底的にこだわりました。

肌に触れるウエストのゴムは、締め付け感のないメッシュゴムを使用。肌触りが柔らかく、通気性がよくムレもないので、汗をかいた時の不快感も、汗冷えのストレスもなし。

股下部分には立体的なクロッチが付けられ、大きな足の動きにも対応。裏側の処理も肌あたりを考えてていねいに作られています。

足首部分にあたる裾の始末も、ストレッチ性の高い状態で施されていて、縫い目が肌に触れたりむくんだ足に食い込んだりというストレスもありません。

表面はフラットなので、上に重ねるパンツとのレイヤリングもスムースで、もたつきや引っ掛かりはありませんが、ニット素材なので、面ファスナーとの接触などで生地を傷めないようご注意ください。
汗処理効果をさらにアップさせるなら、下にドライレイヤーウォーム タイツを重ねるのもおすすめです。
冬山登山やバックカントリースキーなど、厳冬期のアクティブなスポーツを快適に楽しむために、ぜひ加えていただきたい1本です。