人は意識せず走ると振り下ろした足がかかとから接地して、関節や腱に大きく負担のかかるヒールストライクを起こしてしまいます。そのために、かかとのソールを厚くしショックを吸収させるシューズの形状が一般化してきました。

その代わりに、かかとが上がった状態だと重心は前方に寄ってバランスが崩れ、腰などの関節を曲げて重心を後方にずらすという不自然な体勢となり、故障やケガが起きやすくなってしまうのです。

「ローンピークアルパイン」が採用している、ゼロドロップとも呼ばれるバランスクッションソールは、かかととつま先の厚みの比率が１対１となっています。

そのことで、より自然に近い立ち姿のバランスを保つことができ、足を着地させるときの接地面積が広がるのでショックも軽減され、故障やケガなどのリスクも回避してくれるのです。

ミッドソールは、柔らかすぎると足の力が地面に伝わる前にミッドソールに吸収されるロスが出てしまい、効率よく前進できなくなってしまいます。

逆に固すぎると、着地した際に発生する地面からの衝撃がダイレクトに足に伝わってしまい、足首や膝、腰、腱などを痛める原因となってしまいます。

「ローンピークアルパイン」は相反するその二つの問題を解決するために、ソフトでありながら力を増加させ、前進するエネルギーに変換するミッドソール、EGOシステムを搭載しています。

適度な硬さで足の力をしっかりと伝えて効率よく前進しつつ、長時間に渡って歩行しても快適さをキープしてくれます。

アウトソールには、独自開発されたデュラトレッドを採用しています。

濡れた路面やぬかるみ、岩の上などを歩く際にも滑りにくく、しっかりと地面に食い込む安定性に優れたパターンとコンパウンドを使用。耐久性にも優れたソールとなっていて、初期のパフォーマンスを長期間に渡って発揮してくれます。

また足指の付け根である中足骨の部分にトレイルクロウシステムを配置しています。この矢印の形をしたトレッドが、足が地面から離れる瞬間の摩擦を高める効果を発揮。ソールが地面を確実に捉え、力強く前進することが可能となります。

アッパーはヘンプ素材をメインに使用し、部分的にスウェード素材を配置しています。

通気性のよい天然素材のヘンプ生地が、中の空気を効率よく外へ放出してくれるため、足の蒸れによる不快感を感じることはありません。

そして歩いているときに岩や木に擦れてしまいがちなつま先やかかと、サイドの部分には丈夫なスウェード生地を当てることで、耐久性をアップさせ、悪路でも安心して歩くことが可能。

何よりもその素材使いが醸し出すクラシカルな雰囲気は、ほかのトレランシューズにはない味わい。一番上のシューレースホールにつけられたスチール製のD環も、古きよき時代の登山靴を彷彿とさせるアクセントとなっています。

このシューズを見たときに、何か懐かしい雰囲気を感じるとともに、「これが現代のトレランシューズなの？」と思ってしまう人も多いかもしれません。ですが、見た目からは想像できない機能と性能、注ぎ込まれた技術は、ほかのアルトラの最新モデルと比べても全く遜色のない高性能なシューズです。

トレッキングや普段のファッションスタイルに取り入れやすく、どんなコーディネートにもしっくりと馴染むデザインに変換しアップデートさせた「ALTRA（アルトラ）/ローンピークアルパイン」。

最先端の機能性と履き心地、そして優れたデザイン性を、高いレベルで両立させた、遊びゴコロに溢れる一足になっています。